白い砂のアクアトープ

☆☆★★★

大学院の友人の勧めで視聴。
PAワークスの作品。

PAワークスだけあって、映像の美しさは素晴らしいことは間違いない。
ストーリーもメインストリームは、水族館に携わる人々を描いた、まっとうな人間性長を主題としており、その点は評価できる。

 

評価が分かれるのは、この作品は明らかに女性の同性愛を描いているにも関わらず、そこを暗に察してとしている点である。
「なんかこいつらそれっぽいな」と、初期から感じてはいたが、後半はその辺が顕著になる。
しかし、同性愛であることをカミングアウトせずに、そのまま抱き合っているあたりは、正直気味が悪いと感じた。

  

そういう話ならそういう話としてカミングアウトして攻めた方が、見てる方もすがすがしいと思うのだが、中途半端な状態で進めて、案に察しろという形がどうにもスッキリしない。彼女たちが同性愛者であれば、友人という関係から恋人へ変わっていくはずであるが、そのあたりを描かないのが逆に気持ち悪く感じた。俺はカミングアウトがあるなら、それは応援したいと思っていたが、これを明確にしないで、それでも恋人っぽく振る舞う2人に違和感がありまくった。

 

水族館をテーマにした人間性長の話自体は凄くよくできていたのだが、同性愛をブチ込むならきちんと示すべきだし、示さないのであれば、SHIROBAKOのように徹底して恋愛観を排除して作品を仕上げてほしかった。

 

この作品は中途半端に同性愛を匂わすことで気持ち悪い作品になったと言える。同じPAワークスでも「凪のあすから」では、思い切り恋愛に切り込んで泥沼の人間関係があったが、やるならとことんやった方が良い。
同性愛をしっかりと示したら、もっと評価されただろう。

 

もう一点イラっとしたのは、まだ海洋生物学に関してはズブの素人に近い人物が、館内からのハワイへの2年間の留学を勝ち取ったことである。どう考えてもあり得ない。現実でこれが起きたら職場内の不協和音は絶対に免れないと思う。

 

同性愛を有耶無耶に描いたことと、この留学者選抜の結果の2点で、俺はどんどん萎えてしまった。
とても惜しい作品だと思うが、その辺に抵抗がないなら、水族館に携わる人たちの成長という部分だけにフォーカスして見る価値はあるアニメだと思う。